誰しも「長生きして眠るように死にたい」と願うものだ。
「老衰」という言葉には、天寿をまっとうし、
安らかに亡くなるイメージがある。
だが、そもそも老衰とは何なのか。病気で亡くなることとどう違い、また、それは叶えられるのか──。
現役医師として、日々多くの高齢者の診療と看取りに立ち会う著者は、
「几帳面で誠実、感謝の気持ちを忘れない人こそが健康長寿をまっとうしやすい」と語る。
本書では、老いの実際、老衰を加速させないための具体的な医学的知識を、わかりやすく解説。
「丁寧に過ごす力」「誰かを頼る力」「上手に諦める力」という3つの力を通して、
老いの旅路を幸せに歩むためのヒントを伝える。
耳あたりのよい言説がもてはやされる今、
「医療に頼らなくてよい」「好きに生きればよい」——
そんな風潮に一石を投じる一冊。
―― 『幸せな老衰』(光文社新書)より
📸 写真提供:野澤亘伸 氏
1973年、岐阜県生まれ。東海大学医学部卒業。 名古屋大学大学院にて医学博士取得。腎臓専門医、透析専門医。 現在、医療法人偕行会 城西病院副院長、 聖隷クリストファー大学大学院 臨床教授。 勤務医として20年以上、腎臓病診療に携わると同時に、 老衰患者の「看取り医」としての職務を担っている。 「幸せな老衰」の提唱者として、 超高齢社会における医療との関わり方を世に問う。 著書に、 『幸せな老衰』(光文社新書)、 電子書籍『現役医師が、五本足指靴で暮らしてみた!』、 『忙しいお父さんのための 家庭の平和に効く、わが子とワクワク朝活!』、 『マインドフルネス、としての滝行体験』がある。